アマゾンで購入したのですが、手元に届くまで2週間かかりました。まぁ、仕方がないですよね。アカデミー賞が決まったとたんに興味を示す私みたいなミーハー連中の注文が殺到したせいで、生産が間に合わなかったんでしょう。

内容ですが……「まるで積み木のように重なった家。海面がどんどん上がってくるので、上へ上へと建て増しを続けてきたのです。そんな家に住んでいる、おじいさんと家族の思い出の物語」(DVDのパッケージに書かれていた文章より)

つみきのいえ (pieces of love Vol.1) [DVD]

つみきのいえ (pieces of love Vol.1) [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD

で、感想……

いいですねぇ…。まるでヨーロッパの作家さんが作ったような雰囲気で、力むわけでなく、今どきのアニメの文法を使うわけでなく、くさい主張をふりかざすわけでもなく、すべてが淡々と描かれてゆきます。過度の演出がない分、ひとコマひとコマに、観る側が感情を移入できる「良い意味の隙」が生じるので作品の世界に素直に誘われます。そして、鑑賞後にじわりとした感動が生まれます。

私が感じるに、「つみきのいえ」は、ある老人の人生のカタチであり、それはまるで、つみきを積み上げてゆくように繰り返されていった日々のカタチにもみえます。老人が家が海に沈んでしまわないように積み上げるレンガのひとつひとつは、彼の一日一日を象徴しているのでしょうか。「つみきのいえ」は次第に先細りしてゆきます。それは老い先短い彼の人生を象徴しているのかもしれません。しかし、老人に悲壮感はありません。逆に、階下でみた亡き妻との思い出を相手にワインでひとり静かに乾杯します。

この作品は、「地球温暖化に伴う海面上昇問題がもうひとつのテーマで云々…」と、一部の批評で書かれているようですが、私はそんなことはどうでもよく、「よくできた象徴的な人生物語」だと思っています。海は時間。水中は過去。レンガは日々。海上は現在。空は未来。そして「つみきのいえ」は人生そのもの。

「自分の家は、今どのくらい沈んでいるんだろうか? 階下になにが沈んでいたっけ? あとどのくらい建て増しができるんだろうか?」……なんてなことを思わず考えさせられた作品でした。

あと、最近みたレンタルDVD

ミリオンダラー・ベイビー [DVD]

ミリオンダラー・ベイビー [DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD

今頃になって観てますが、何か?(笑) 

で、感想……

これって、女性ボクサーのサクセスストーリーだと思いこんでました。なんと、とっても悲しい話だったんですね。いやぁ~……主人公の女性がかわいそうでなりません。そして、クリント・イーストウッドの最後も……。でも、「かわいそう」ですませるのは安直な感想なんでしょうね。どんなに惨めでも「その人間にとっては、かけがいのない大切な人生」なんですから、むしろ、かわいそうと思うことは不遜な心が生む感想なんでしょうね。でも、それでも、ラストシーンのひなびたレストランのカットは、あまりにせつなくてたまりませんよ~……シクシク……。あ、そうそう! なんでも作品のラスト近くにあった尊厳死のシーンについて巷ではあれこれ問題になったようですね。確かにロッキーみたいな前半とのギャップを感じる重い展開に正直、面食らいましたが、この作品には必要な表現だったと思います……。あ、観てない人はなんのことか分かりませんね。是非、ご覧下さい。

「つみきのいえ」といい「ミリオンダラー・ベイビー」といい。、あらためて「人生」を考えさせられた2本でした。

 ん? あ、思い出した。これも観たんだっけ!

スピード・レーサー 特別版 (2枚組) [DVD]

スピード・レーサー 特別版 (2枚組) [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD

で、感想……

映像自体はなかなか個性的でおもしろかったですが、正直、ウォシャウスキー兄弟の「アニメを実写化することに関するセンス」はよく理解できませんでした。それと個性的な映像がでしゃばりすぎて、それでなくても冗長でテンポの悪い人間ドラマの進行を邪魔し、なんかハギレが悪く感じました。実は……途中で寝てしまいました。(夜中にみたせい?) で、後日、観直そうかと思いましたが、観直す気がしませんでした。

 

投稿者 mori-game

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