「80代の年老いた姿で生まれ、歳をとるごとに若返っていき、0歳で生涯を終えたベンジャミン・バトンの奇妙な人生を、数々の出会いと別れを通して描く」……という予告で知った設定に感動し、観る前から勝手にウルウル状態だった、『ベンジャミン・バトン』を観に行きました。
で、感想……
人生の意義を重く深淵な演出で問うマニア受けな作品なのかな? と思ってましたが、意外やライト、ときにコミカルな演出で、敷居の低い万人受けのエンターテイメント作品になってました。そうそう、観ながら「フォレスト・ガンプ」を思い出してしまいました。
でも、フォレスト・ガンプに比べると、ちょっと内容が浅く感じてしまうのは否めないなぁ……。少ないんですよ。イベントが。主人公の特殊な設定が、他のたくさんの人間達の人生といかに絡んで、そこから何が生まれるのか? それをどれだけ見せてくれるのか?…なんて~のを期待してたのですが、意外や、身の回りの人間との出来事に終始して、あまり「広がり」と「深さ」を感じられなかったのです。 (まぁ、私が期待しすぎたんでしょうね…)
正直、ちょっと残念……。あんだけの設定の割には、なんか、もったいねぇ作品だな~…という印象でしょうか。いや、それでも「良い作品」であることには変わりありませんよ。なんせ、アカデミーショーで13部門ノミネートらしいですからね! そうそう、ブラピのメイクは一見の価値あり。特に10代になったブラピの顔、CGの力が昨今の映画においていかに重要かを感じずにはおられません。(笑) あと、上映時間3時間近くと長丁場なので、観る前にはトイレに行かれたほうがよろしいかと。
*追記:この作品は観る人の年齢によって、その感動度がかなり違ってくると思われます。特に、この作品のラストシーンの解釈はかなり異なってくるでしょう。
その他、最近、レンタルDVDで観た作品……
で、感想……
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- メディア: DVD
「永島慎二」に捧ぐとのことですが……正直、残念。シナリオは市川森市氏(超有名)とのことで、期待したんだけど、なんちゅーか、阿佐ヶ谷も60年代の若者もなにも描いてないんだよなぁ~……。なんか、ダンさん(永島氏の愛称)に対する脚本家と監督の「思い入れ」と「感傷」を映像化したという感じ。嵐の演技云々以前に、監督の演出に問題ないか? ダンさんの描いた60年代の若者は、あんなに元気なくなかったぞ。
- 出版社/メーカー: ビデオメーカー
- メディア: DVD
あの迷作「デイアフター」ではありません。「アフターデイズ」です。人間が地球上から消えたあと、地球の生態系はどうなってしまうのか?という科学的根拠を基にしたドキュメント風の作品です。結論としては、地球上に人間が消えた方が地球環境には良いということで、見ていて「地球上に住む人間以外の生物さん、すみませんねぇ~」という、なんともやりきれない気分になってしまいました。ラストの「地球に人間は必要ないが、人間には地球が必要である」というメッセージがとどめをさします。
これ映画館で見そびれたんだよなぁ~……。で、レンタルで!ということで観たのですが、さすが、うまいね、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの演技が。安心して二人の世界に入って行けます。あと、セリフも小粋で、ともにすれば重くなりがちな「余命を宣告されたガン患者」というテーマもサラリと明るく描かれ、「生きる」ことに元気をもらえます。こういう作品描かせるとハリウッドはうまいよね。日本ではどうしても「しめっぽく」なっちゃうんだよなぁ。あ、あと、関係ないけど、モーガン・フリーマンって志村喬に似てません? え、似てませんか? そうですか。
ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- メディア: DVD
映画好きなくせに、実は見てませんでした。私が好きな「バートンフィンク」の
コーエン兄弟が監督だったのにね。で、感想ですが……、まさにコーエン兄弟の監督した作品でした(なんじゃ、そりゃ?) 終始、重く、淡々とした描写。客におもねらないんですよねぇ……。けっこう鑑賞体力がいります。悪党の金を盗んだ男が、それを取り戻そうとする殺し屋に追いかけられるという話で、設定をきくとアクション映画っぽい印象なんだけど、ぜんぜんそんなんじゃなくて、けっこう「文学路線」いってて、考えさせるんだよねぇ。深い作品でした。ラストのトミー・リー・ジョーンズのセリフには、ちょっと涙ぐんでしまいました。