ランボーシリーズ自体にはさほど興味はなかったのですが、今回の予告編を観たら、私が好きな『捕虜奪還傭兵もの』っぽかったので、釣られて観にいきました。
で、感想……
たしかに傭兵はでてきますが、期待したような『傭兵もの』ではありませんでした。物語的なおもしろさは見事にありません。まるで『兵器はいかに人間の体に損傷を与えるか』をコンセプトにしたかのようなグログロ映画でした。(特にオープニングの実写グロ映像はかなりキツイです)
まぁ、グロしか売りがないB級映画なのですが、強いて好意的に解釈するならば(べつに無理に好意的になる必要もないんだけどね、客なんだから…)、あえて残虐な表現をすることによって戦争の悲惨さ(特にミャンマーの軍事政権の非道ぶり)を荒療治的に告発する作品にとれなくもありません。でもなぁ、やはり、それよりもグロっぽいものを楽しみたいという客の悪趣味なニーズにポイントを絞り込んだ色合いが強かった作品にしか私には思えませんでした。
ただ、どんなにリアルなグロっぽい映像の連続でも所詮すべてがつくりもの。『つくりものなんだよなぁ…』なんて醒めた目で見ていると、そんなつくりもののグロ映像作りに対するスタッフの異常なまでの情熱に対して『なんで、そこまでこだわる?』と、なんとなくおかしくなって、グロっぽい映像を観ながら思わず失笑してしまいました。(周りから変な客に思われたかもなぁ)
ところでこの作品の指揮をとったスタローンが『”ランボー 最後の戦場”のミャンマーでの上映が禁止されるのなら、同国の残虐行為を暴露する!』とミャンマー軍事政権に警告したとのことですが、どうなんだろうなぁ……。どうもヒネクレじじいの私には映画宣伝のためのパフォーマンスにしか思えないのですが……。
デート中のカップル、グロだめだめの方にはお勧めできない作品ですね。
【追記】グロいシーン連続の作品でしたが、それよりも私が一番グロく感じたのは、筋肉増強剤で作りあげられたスタローンの不自然な肉体でした。