平成ガメラから応援し続けた樋口監督のリメイク版「隠し砦の三悪人」を観てきました。
(注:平成ガメラでは樋口さんは特技監督でした。あと、私にとっての「応援」とは映画館に出向き金を払って作品を観ることです)
「ローレライ」では、初監督だから「まぁ、アニメっぽいところは許すか。次回作に期待!」と生温かい目で見守り、「日本沈没」では「おいおい、どうなってんの?」と彼の才能に懐疑的になり、そして「今度、裏切ったら二度と観ねーぞ!」と心に決め、黒沢作品のリメイクという彼の暴挙に出た本作品を「今度こそ三度目の正直」という気持ちで観に行ったのです。ただ、前評判がいまいちかんばしくなかったので、また裏切られた時の心の予防線として、申し訳ないけどワーナーマイカルのワンダフリーポイントを使わせていただきました。ええ。タダです。
CAST/松本潤、長澤まさみ、阿部寛、椎名桔平、宮川大輔、甲本雅裕、高嶋政宏、國村隼、KREVA、黒瀬真奈美、生瀬勝久、古田新太、上川隆也
で、感想……
そもそも私は黒沢作品と比較するつもりはなかったので(比較しても意味ないしね)、色眼鏡なしに素直に観たら結構楽しめました。ポップコーンムービーとしてはよくできていたんじゃないのかな?映画の構成としては「基本通りに作った」という感じがして、黒沢作品を知らない人も楽しめる分かりやすい仕上がりでした。(阿部寛はなかなかの存在感で、長澤まさみちゃんもがんばっておられました。ジャニーズ系の方は、もうちょっと演技の勉強をされたほうがよろしいかと)
ただなぁ……。樋口監督の性というか呪縛というか、やっぱり今回も「アニメ・特撮おたく根性」があちこちに顔をだし、それがチープな演出や設定となり、こちらが世界に感情移入しようとするのを邪魔するのはカンベンしてほしかったです。(でも、あのオタク根性は、もう治らないんだろうなぁ……) シナリオもせっかくいい感じに進んでるなと思ったら、やはりオタク根性が出て「なんで、そんなチープなセリフになるわけ?」という箇所が多々ありました。ラストシーンも、「おいおい。その映像が撮りたかったという気持ちはわかるけど、なんで自らぶち壊すの?」と思わず苦笑してしまいました。まぁ、でも、「日本沈没」よりはよくできていましたが。(って、ホメ言葉になってないって)
あと、「隠し砦~」をオマージュした「スターウォーズ」を、今度はこのリメイク版でオマージュしたと思われますが……もう、いいって! 樋口監督はもうああいうことしかできない監督なのかなぁ……。もしそうなら、応援し続けても作品の先が見えるなぁ……。それとも自分が彼に期待しすぎなのかなぁ……なんて、余計なこともあれこれと考えてしまいました。
でも、邦画では数少ない「良い意味で大味で分かりやすいエンターテイメント作品」が撮れる監督だと思うので、これからもがんばってほしいとは思っております。