1969年からアメリカで実際に起こり続けた謎の連続殺人事件を元にしたサスペンス映画『ゾディアック』を観てきた。監督は『セブン』『ファイトクラブ』でお馴染みのデビッド・フィンチャー。



監督:デビッド・フィンチャー/脚本:ジェームズ・バンダービルト /原作:ロバート・グレイスミス/撮影:ハリス・サビデス/音楽:デビッド・シャイア/演:ジェイク・ギレンホール、ロバート・ダウニー・Jr.、マーク・ラファロ、アンソニー・エドワーズ、ブライアン・コックス、イライアス・コティーズ、ダーモット・マローニー、クロエ・セビニー/007年アメリカ映画 /2時間37分/給:ワーナー・ブラザース映画


で、感想――


決してハデではないが、じっくりと、見応えのある面白い作品だった。


ゾディアックと名乗る犯人は、その犯行手口の残虐性や、『謎の暗号』や『犯行声明分』等で自己顕示しながら警察、マスコミ、世間を翻弄してゆく。そして、事件のわずかな手がかりを元に刑事や新聞記者、そして主人公となる風刺漫画化が、その謎めいた事件の真相を解き進めて行くが、あと一歩というところで再び振り出しにもどされてしまう。そのあたりのシナリオ的構成や演出が非常によく計算されていて、2時間37分という長丁場なのに観ていて全く飽きさせない。監督の力量を感じる。


あと、何気に演出の中に取り込まれた60年代から70年代、そして80年代へ移って行くアメリカの文化の変化がゾディアック事件がどういう社会背景で起こったのかを良く語り、物語にリアリティーと説得力を持たせている。(特にBGMに使われた曲とアタリのコンピュータゲームは印象的だったな)


ちなみにこの作品の登場人物は実在する者ばかりで、特に風刺漫画描きから、この事件を最後まで追うキーマンとなったロバート・グレイスミスは、この事件の詳細な記録を自ら執筆し出版している。


ゾディアック

ゾディアック



  • 作者: ロバート・グレイスミス
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 文庫


久々に硬派で質の良い作品だった。ミステリーやサスペンスが好きで、じっくりと作品を鑑賞したいという方にはお奨め!


ちなみに、この事件の容疑者とされた人物は、長年の警察の捜査で証拠が固まりいよいよ起訴するという手前になって****で**したそうだ。 (*が気になる方は是非映画館へ!)


しかし、今週末観た映画は『300』といい『ゾディアック』といい、どちらもアタリでラッキーだったなぁ。

投稿者 mori-game

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