この『フルベッキ写真』と呼ばれる古い写真は、以前、雑誌かなんかに取り上げられ、本物の西郷隆盛が写っているとかいないとかで評判になり、私も興味津々状態になったことがあった。その写真をテーマにしたミステリー?小説ということで、思わず購入してしまった。
(なんでも、坂本龍馬、西郷隆盛、高杉晋作、岩倉具視、大久保利通、中岡慎太郎、伊藤博文、明治天皇などが写っているという。巷のUFOやUMA、心霊写真なんかぶっ飛びます)


幕末 維新の暗号

幕末 維新の暗号




  • 作者: 加治 将一
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2007/04/21
  • メディア: 単行本

 


 


で、感想―― (ちょい辛口)


『ダビンチ・コード』のできそこないのような内容でした……。


フルベッキ写真に関する謎解き展開は一見論理的な感じがするが、かなり強引で俗にいう『とんでも系』。ミステリーっぽい物語展開もおせじにも出来がいいとは言えない。ただ、私の場合、こういう事実のようなフィクションのような、その狭間で遊ぶような胡散臭い『とんでも系』創作は、なんかマンガみたいでそこそこ楽しめることができたが……。


物語の内容はネタバレになるので割愛するが、いずれにしてもそのオチは見事な『とんでも系』である。それも世が世なら『不敬罪』でとっ捕まりそうなものである。まぁ、さっきから『とんでも系』『とんでも系』とちゃかしているが、仮に一万歩譲ってこの本を味方するなら、歴史というものは時の権力者に都合良く書き換えられる権力者のための記録のようなものだから、この本のオチのような事実が100%なかった!とは必ずしも言い切れないかもしれない。でも、だからといって、それを正当化するために思い込みの論理展開を使うのはあまりに稚拙で、せっかくの面白い題材も台無しにしてしまっている。まぁ、そこが『とんでも系』が『とんでも系』たる所以でもあるんだけどね……。


以上です。


 



こういう写真はUFO写真みたいに胡散臭いところに存在意義があるのかもね。真偽は二の次でいい。それにしても似てるなぁ~、大久保利通は。(西郷も、っぽいなぁ)

投稿者 mori-game

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