近くの駅前を通ったら、何台もの消防車や救急車が赤い回転灯を回しながら停まっていた。消防員が慌しく走り回っている。どうやら火事のようだ。
と、思って辺りを見回すと……ない。煙のケの字も見あたらない。かといって消火活動が終わったようにも見えない……。どうなってんの? しばらく様子を見ていると、先頭消防車のスピーカーから状況説明をする声が聞こえてきた。
『こちらは**消防署です。先ほど**ビルの三階で火災が発生したとの情報が入りましたが、誤報であることが確認されました』
誤報――。つまり何処かのバカヤローがイタズラをしたということらしい。まったくもって迷惑すぎる話だ。そのバカヤローは今頃、この様子をどこかでコッソリと伺いながらニヤニヤしているのだろうか? それとも無知が故の出来心でやったことが、こんなに大事になるとは思わず、ほうほうの体で逃げて回っているのだろうか? いずれにしても不届きな奴だ。税金をムダに使わせやがって! こんな奴には裁判はいらん。捕まえ次第、即、市中引き回しの上、消防車のホースでお尻の穴めがけて放水、水攻めの刑じゃ~! (小学生レベルの妄想力だな…)