映画『DEATH NOTE』を観てきた。
原作:大場つぐみ、小畑健/監督:金子修介/脚本:大石哲也/音楽:川井憲次/出演:藤原竜也、松山ケンイチ、瀬戸朝香、香椎由宇、細川茂樹、戸田恵梨香、藤村俊二、鹿賀丈史/2006年日本映画/2時間6分/配給:ワーナー・ブラザース映画
で、感想――。
いやぁ~、おもしろかった! こんなぶっとんでるミステリー&サスペンス映画は今まで観たことがない。これも原作が漫画という今一番元気で想像力溢れるメディアだからこそなしえたの技か? もっとも巷では原作と比較していろいろと不満をもっているコアなファンもいるようだが、幸いなことに私は原作を読んでいなかったので先入観なしに映画として素直に楽しめることができた。
でも正直言うと、観る前は監督が金子修介氏ということで若干の不安はあった。(”クロスファイア”や”あずみ2”の件もあるし。ガメラの成功も樋口氏の力が大きいと思っている…) しかし、今回の作品はそのような不安をぬぐいさるかのように、キチッとまとめきった作品になっていた。それは多分に原作を映画として開き直って監督の色にアレンジしきったからだと思われる。(原作の担当さんから、”できるだけ原作とはちがった味で”と期待されたのも良かったのかも) 原作に忠実すぎる『絵解き』のような映画ほどつまらない映画はないしね。
物語に関してだが、なんでも、ファンが一番不満を持っているところは、主人公のライトと敵役のエルがあまりに『頭が悪そう』に見えるというところらしい。確かに法曹界へ進もうとする秀才のライトと数々の難事件を解決してきた天才のエルにしては、後半の行動があまりに衝動的で子供っぽ過ぎるかも知れない。しかし、私はこの年齢(20歳前後)の人間は、その根っこはまだまだ子供だと思っている。だから、最初は社会正義の為に使っていたデスノートを、結局は使いこなせなくなり自分の為につかいはじめるライトの幼稚さや、知性よりも感情を優先し始めるエルの幼稚さが私には逆にリアルに感じた。しかし、それでもファンは不満を感じるということだから原作はよっぽど二人の知性が『揺れず』に描き込まれていると思われる。こりゃ、早々原作を読まんとな。 (この文は後で追記しました)
ところでこの映画、今回は前半で、後半は11月に上映されるとのこと。これって前半がおもしろくないと営業的に逆効果になる方法だが、どうやら前半はなかなかウマイ終わり方になっていたので後半も期待できそうだ。
『DEATH NOTE』――これ、原作を知らない人にも楽しめるエンターテイメントになってまっせ。お奨めです。
(いやぁ~しかし、最近の邦画って、本当におもしろくなってきたなぁ……)
【追記1】ところで、あいつの声がまさかあの俳優だったとは思いもよらなかったなぁ……。てっきり千葉繁あたりの声優かと思っていた。
【追記2】思い出してみるに、上の俳優さん、『あらしのよるに』で既に声優デビューしてたっけ。