岡田斗司夫氏著の『プチクリ』を近くの書店で購入。何故か女性向のエッセイ・啓発書コーナーに置かれていた。


『プチクリ』 作者: 岡田斗司夫  出版社/メーカー: 幻冬舎



『プチクリ』とはプチ・クリエイターの略語である。『プロとかアマとか世間的な序列にこだわることはない。ヘタでも、広く浅くでもいいじゃないか。もっと自分の好きなことを自由に楽しみ、そして人生を楽しもうよ!』という岡田氏による”楽しい生き方の提案”が含まれた言葉でもあるようだ。(私はそう解釈した)


私はこの本の巻末に書かれていた『プロのクリエイターたちは、なぜかプロ志願者に厳しいことを言いたがる』という文章に苦笑してしまった。確かにそれはある。ただこの文章のプロの二文字の前には形容詞が抜けている。それは『超売れっ子以外の』もしくは『一流以外の』という言葉だ。あくまで私が知っている範囲だが、実際の一流のプロは岡田氏のいう『プチクリ』精神が爆発状態な人が多く、『真に創作活動(クリエイト)を楽しんでいる(楽しめている?)人』が多い気がする。しかし、私も含め二流以下のプロは自分がやりたい創作なんて滅多にできない。正直、クリエイティブではない作業の方が多い。そんな現実の中で生きているので、アマやプロ志願者にクリエイトな世界(業界)をなめられてしまっては自分達の立つ瀬がない。だから過剰に厳しく言い、そしてプロとアマの序列をにおわせることで自分達のアイデンティティーを保っているのではないか? (社会人としての厳しさを説くのだったら話は別だが…) よく場末の飲み屋で二流以下のクリエイターが酒を片手に、特に苦労もなくヒットを飛ばした新人に対し『ぜんぜんわかっちゃいねえ』『所詮、ビギナーズラックよ』等と異様な敵対心を燃やしてぼやいているのは、ひがみ以前にそういう心理もあるのだろうと私は邪推する。 ある意味、二流以下から限りなくアマに近いプロが一番クリエイティブを楽しむことができない人種なのかもしれない。『こんなはずではなかった……』と。正直、これは虚しい… 


そんな虚しさから脱却する為にも、アマに厳しいことを言わずともアイデンティティーが保てるようになる為にも、この『プチクリ』の考え方は見過ごせない。だって、私もクリエイトを楽しみたくて今の世界に足を踏み入れたわけだ。どうせなら酒飲んで愚痴なんか言ってるよりも、嬉々としながら生きて行きたいよ。


『プロになれなかった』『出世できなかった』『一流になれなかった』――だから自分は負け組だという、つまらない固定概念に縛られず(久しぶりだなこの言い回し…)、好きなことをやって自由に楽しく生きた者こそが本当の意味の人生の勝ち組なのかも。 『プチクリ』―― この考え方、いいかも!


 


――子供の頃、父親に『自分が一番好きなことは職業にするな』と言われたことを思い出し、その意味の深さを思い知る文鳥


 


ぼくたちの洗脳社会

ぼくたちの洗脳社会



  • 作者: 岡田 斗司夫
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 文庫

昔、読んだけどこれもおもしろかった。

 

【追記】ある格言を思い出した。『好きこそ物の上手なれ』

投稿者 mori-game

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