土曜日、フジテレビで”学問の秋スペシャル~日本の歴史”という番組をやっていた。たまたまそれを観た私は、おや?と思った。これって10年ぐらい昔(もっとまえかな?)、やはり同じフジテレビが深夜実験番組をやっていた頃に放送された”46億年の100大ニュース”という特番とそっくりじゃないか。”46億年~”は地球誕生から近代までの46億年に渡る歴史の100大ニュースをコントやクイズ、ドラマ等で構成した歴史エンターテイメントだった。古館伊知郎のテンポの良い司会と、最新の情報と、深夜帯ならではの”毒のある笑い”が融合しあって結構楽しめた記憶がある。「へぇ~。同コンセプトの番組をゴールデンでやるんだ。どれどれ……」と、興味を持った私は、この特番を最後まで観ることにした。
――で、感想。
ダメじゃん……。46億年~みたいなパワー、ぜんぜんないじゃん。まぁ、鎌倉時代から安土桃山に至る下克上時代をプロレスに見立てたコントは結構笑えたし、関ヶ原の闘いのドラマも、まぁおもしろかったのだが、46億年~に比べて全体的にテンポも、情報も、お笑いも、いまいちモノ足りなかった。特に明治以降の近代史、ありゃなんだ? そんなに左・右から何か言われるのが怖いのなら最初からやるな!と言いたくなるほどの蛇足さ。(日本の歴史は明治維新で終わったんかい?)
たぶんプランナーは「日本の歴史に疎い最近の若者に、楽しく歴史を学んでもらう」というコンセプトで企画し、手法としては46億年~のものをベースにしたと思われるが、肝心かなめの”知性”が欠落していた。ちなみに46億年~に出てきたお笑いタレントはシティーボーイズやラジカル・ガジベリビンバ・システム等。ドラマは”カノッサの屈辱”風、科学情報は”アインシュタイン”風……つまり、当時のフジ深夜実験番組の”知性”が総結集していた。
情報にも知性、笑いにも知性、がコンセプトの番組から知性を取ってどうする? それともゴールデンの番組を観ている視聴者には”この程度でいい”とでも思ったのかな? IT時代に入って、1億総知性コンプレックスになっているというのに……
――痴性ある辛口な文鳥