なんかこのブログ、日常の雑感記録というよりも「映画鑑賞記録」化してるなぁ……。ま、いいか。
で、キャラが『ショートサーキット』の「ナンバーファイブ』に似ているピクサーの新作『ウォーリー』を観に行きました。
で、感想…… (あくまで感想で、批評じゃありませんぜ)
いいねぇ……。さすがピクサー、手堅く作ってるなぁという感じ。あと、ロボットの演技だけどボディーランゲージと擬音で飽きさせず見せるという技は、さすがボディーランゲージの発達した文化圏で作られた作品だなぁ…と、改めて意識させます。日本のは「見たて」と「記号」の文化なので、こうはいかないようで(あの宮崎アニメをしても)
あたしゃ、こういう「ベラベラしゃべらずに、動きと擬音だけで見せる作品」というのが子供のころから大好きでして、トムとジェリーで有名なハンナ&バーバラーのアニメや、実写ではチャップリン等の無声のスラップスティック系の作品を夢中になって観ていたもんでした。なんか、自由なんですよね。多くを語らない部分、作品の中に想像力で参加できるというか…いろんな発見もあるし。
あと、この作品、意外やカチッとしたSFなんですね。「環境汚染問題」や「生きがい」というテーマも、イヤミなく盛り込まれなかなか考えさせられます。宇宙船の未来の人間の姿は、現代ネット社会の強烈な皮肉とでもいいましょうか。思わず苦笑してしまいました。もちろんハートウォーミングな物語展開は健在です。
見どころ満載のこの作品ですが、やはり一番の見どころは「ウォーリー」ですな。とにかく「かわいい」です。特に個人的にグッときたシーンは「ウォーリー家の中」でした。700年間ひとりぼっちだったウォーリーの孤独と希望の心があの家の中の設定にすべて現わされているからです。多くを語らず、一枚の絵で語る。まさに「設定」のお手本みたいな部屋です。心の中で「うまい!さすがピクサー!」とうなってしまいましたよ。内装品もピクサーお得意のオマージュやパロディーがフンダンに盛り込まれているようで、DVDが出たら、一シーン、一シーンをチェックしてみたい気にさせます。
しかし、ウォーリーの起動音が「Mac」と同じなのは笑ったなぁ。(ピクサーの社長がアップルのスティーブ・ジョブスだからなんでしょうね) あれ? ということは、ウォーリーのコンピューターはマックのOSで動いてるのかな?
皆さんにお勧めの作品です。ちょっと個人的な作品に偏りがちな昨今の宮崎アニメよりも「エンターテイメントの心」を忘れていないという意味では価値があります。
ああ、ウォーリーのフィギュアが欲しくなってきたぞ……。
ディズニー トランスフォーミング WALL・E (ウォーリー)
- 出版社/メーカー: タカラトミー
- メディア: おもちゃ&ホビー
*追記:私は今だかってあれほどまで「かわいいゴキブリのキャラ」を観たことがない…。
……あと、ついでに、最近観たその他の作品について。
『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』
で、感想……
A級なみの金と役者を使って、本気でB級作品を創った!という、ムダなハートがガンガン感じられる、「よくわかんない」作品でした(苦笑)。
あと、この作品、以前観た「レッツ・スマート」と同じく、英語や、アメリカの風俗・ハリウッド事情がわかっていないと、ちっとも楽しめません。まぁ、コッポラへの皮肉ぐらいは分かりますが……。
『ブラインドネス』
で、感想……
シリアスでした……。
テレビのCMを観た限りでは「人類が目が見えなくなる病におかされるハリウッド的パニックもの」と思いこんで観に行きましたが、実際は「極限状態に置かれた人間達が、以下に獣(けもの)化してゆくか? 秩序とは? 良心とは? そして、人の絆とは?」等の深淵なテーマを考えさせられる地味でシリアスものでした。
特に、収容所内の表現が秀逸で、ハリウッドのリアリズムに対するこだわりをヒシヒシを感じぜずにはおられません。 臭ってきそうでしたし。(何が臭ってきそうなのか知りたい方は是非、劇場へ)
個人的にはOKな秀作でしたが、かなりヘビーなのであまり一般受けはしないだろうなぁ……。てな、感じでした。