全米でスパイダーマンの興業成績を抜く勢いのバットマンシリーズの最新作「ダークナイト」を観に行きました。
で、感想……
いやぁ~、おもしろかった! 密度の高い精密なシナリオと映像演出で、2時間半という長丁場にもかかわらず全く時間を意識させない傑作でした。
とにかく、故ヒース・レジャー演じるところのジョーカーの「知的キ*チガイ犯罪者」っぷりがあまりにもすばらしく、また、バットマンも今までのシリーズにはない存在感とリアリティーがあり、現実の世界にバットマンがいたらこんな感じになるのかなぁ…なんて思わず妄想してしまいました。
まぁ、深読みして楽しめば、「バットマン=世界の警察アメリカ」、「ジョーカー=反米テロリスト」、「世界の警察が結果的にテロや戦争を生んでいる」という設定に見立てられなくもなく、ラスト近くのあのフェリー事件も、「それでもアメリカ市民は正義なのだ、バンザイ!」的偽善臭がしないでもなく、ラストのバットマンの決断はまるでキリストの贖罪のような自己犠牲的テイストを感じなくもありません。つまり、「アメリカ(バットマン)は良くも悪くも、世界の平和には必要なのだ」と。もちろん、こんな映画マニア的辛気臭い深読みをしなくても、アクション映画として十分に楽しめることは言うまでもありません。特に、カーアクションシーンは、「超すげぇ!」と鳥肌もんでっせ。
設定の深読みして楽しみたい人も、アクションを素直に楽しみたい人も、どちらの客層も受け入れることができるこの作品は、まさにエンターテイメント作品の一級品といえると思います。おみごと!
ただし、エンターテイメントといっても、親子連れや、デートのカップルが楽しめるようなライトなエンターテイメントではないので、そこんと注意をされたほうがいいかも。