『西の魔女が死んだ』を観に行きました。
監督: 長崎俊一 /脚本: 矢沢由美、長崎俊一 /原作: 梨木香歩 /cast:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、大森南朋、高橋克実、木村祐一/撮影: 渡部眞 /音楽: トベタ・バジュン /美術:矢内京子 /美術監修: 種田陽平 /主題歌: 手嶌葵 /製作国: /2008年日本映画 /上映時間: 1時間55分 /配給: アスミック・エース
で、感想……
『良い作品』でした。その一言につきます。
原作は読んでませんでしたが、あたしゃ『原作と映画化作品は別物である』というスタンスなので、余計な思い入れなく素直に一つの映画作品として楽しむことができました。(でも、原作のコンセプトを大きく外した映画化は認めませんぜ)。とにかく全体に流れる『やさしさ』と『おだやかさ』がいいですね。それとこの映画、2時間近くの上映時間の殆どを、おばあちゃんとその孫娘の少女の二人だけの淡々とした演技でしめているのですが、まったく飽きることがありませんでした。(あくまで私はね) いやはや、それってなかなかのもんですよ。原作の力といいますか、シナリオの力といいますか、演出の力といいますか、いずれにしても昨今の『香辛料がたっぷりとかかったファーストフード的高カロリーなヒット作品群』にはない『地味だけど体に良い野菜サラダのような新鮮さ』を感じました。
あと、私がこの作品にかなり感情移入できた別の理由のひとつに、『自分が、かなりのばあちゃんっ子』だったというのもあるのでしょう。そうそう。私のおばあちゃんも、この作品に出てくるおばあちゃんのように『自分の存在を無条件に愛してくれる人』だったなぁ…。悪ガキで年がら年中親に叱られてベソかいていた自分に、いつもやさしくしてくれたっけ…。で、、この映画のラスト近くのシーンと同じように、自分勝手な理由でばあちゃんに最後の言葉もかけられずに永遠の別れをすることになってしまったんだよなぁ…。そんなことを思い出しながら作品を観ていたせいもあってか、最後のあのシーンは画面を直視すると絶対号泣する予感がしたので、微妙に画面から目線を外してしまいました。(それでも画面がゆがんだけどね。苦笑)
トベタ・パジュンの音楽もいいですね。スタッフロールで流れる手嶌葵唄う『虹』も感涙ものです。あたしゃ、さっそくこの映画のサントラを購入しましたがな。
地味だけど、お薦めの作品です! 仕事や人間関係の疲れでささくれだった心を癒したい方々には、この作品が効くかも?
フォレスト・ストーリー~Sound Scape from 映画「西の魔女が死んだ」
- アーティスト: サントラ,トベタ・バジュン,鶴来正基
- 出版社/メーカー: デラ
- 発売日: 2008/04/10
- メディア: CD