今年のゲームショーから『センス・オブ・ワンダーナイト2008』という催しものが始まるようです。これ、簡単に言えば『今までにない斬新なゲーム企画のプレゼン大会』のようです。
で、感想……
『やっと始まったか…。こういうのが必要だったんだよ!』という感じです。
そもそも黎明期におけるテレビゲームは今のようにカテゴリー化されたものを言うのではなく、『コンピュータを使ったなんでもありの遊び』のことでした。言い換えればそれは人間のイマジネーションのシミュレーションでもあり『遊びの実験場』でもありました。ところがテレビゲーム市場が巨大化するにつれ、ゲームの中身に『市場原理』がはいりこみ、いつしかテレビゲームは『実験による遊びの可能性の追及』より、『売れるエンターテイメント商品の可能性の追及』の方が優先されるようになってゆきました。実験や冒険よりも、安定した無難な商品を!ってな感じで。(まぁ、銭儲けが商売の基本原則ですからそれも仕方ないですけどね)
でも、その結果として、当然ながら一般ユーザー(ゲームファンおたく以外のユーザーね)が安定した無難なテレビゲームに飽きはじめ、昔のようなテレビゲームに対する『わくわく』するような期待感がもてなくなり、それより、常にマウスイヤーなテンポでガツガツとイノベーションが前進しているケータイやネットの方に、その期待感を移してゆきました。(追記:ゲーム離れに関しては少子化、不景気、団塊ジュニア層ユーザーの離脱、「飽きた」等、他の要因もありますが)
で、このままではヤバイ!てな感じでDSやWiiという『ゲームハードのカンフル剤』が登場し、一般ユーザーのゲームへの期待感を引き戻してくれました。しかし、カンフル剤の効き目もそんなに長くは続かないかもしれません。ですからカンフル剤が効いている間に『ゲームソフトの新薬』を開発する必要がでてきました。ただし、その薬は『今までのものの延長線』では意味がありませんし、今さらそんなもの一般ユーザーには効かないでしょう。
そんな危機感を感じてかどうかは知りませんが、この『センス・オブ・ワンダーナイト2008』は、なかなかタイムリー(て、ゆーか必然?)な企画に感じられました。私は以前からこういうのが必要だと個人的に主張してきたので、『いよいよ、動き始めたか!』という喜ばしい気持でいっぱいです。
『今までにない斬新なゲームを!』
かつては当たり前だったけど、いつしか市場原理で片隅に追いやられてしまったそんなフレーズを、もう一度見直そうという動きは、もしかしたらテレビゲームの新しい時代の幕開けのきっかけとなるかもしれませんね。 いや、なってほしいものです。いや、ならないとマジ、ヤバイって、日本のテレビゲームは。
【追記】新しいテレビゲームの未来を創るのは、もちろんこれからゲーム業界を目指す若者達のはずですが、正直、かなり不安です。だって、基礎的な創作能力が鍛えられてないんだもの。(私、ゲームスクールの講師もやっているけど、かなり深刻です。それともうちのスクールだけ?) 文部科学省! これから小・中の授業で『創作系』の時間をもっと増やしたほうがいいぞ~! このままじゃ技術立国日本の座が危うくなるぞ~!(てか、もう遅かったりして…?)