自分が履いている熊さんスリッパを見ながら、ふと、あることに気づきました。
『あれ? もしかして、さっきの宅急便の人に応対するとき、俺ってこのスリッパ履いたままだったっけ? いや、まてよ。さっきと言わず、ここんとこずっと履いたまま応対していたような……』
この熊さんスリッパ、近くのホームセンターで格安料金で売っていたので、おもしろ半分に購入したものです。値段が安い割には足もとが暖かいので愛用しています。ただ、いい歳こいたオヤジがこんなキュートなスリッパを履いた姿を他人様に見られては末代までの恥じ(笑)なので、購入した当時は宅急便の人に応対する時は必ずぬいでいたのですが、ここんとこスリッパになれたせいか、ぬぐことをすっかり忘れていたようです。
『そういえば、さっきの宅急便の人、なんかニヤニヤしていたような気がするけど、まさか、俺のスリッパを見て……。 まずい! 今までいったい何人の人達にこの姿を見られてしまったのだろう…… うわぁぁ~~っ!』
と、根拠のない妄想に襲われた私は、恥ずかしさのあまり頭を掻きむしりたくなる衝動にかられました。しかし、熊さんスリッパのそのキュートな眼差しを見て『まぁ、すんだことは仕方がねぇや』と直ぐに気を取り直し、あいかわらず熊さんスリッパを履いてペタペタと部屋の中を歩きまわっております。