仕事の息抜きに、ネットで公開されている脱出ゲーム(フリー:無料)にはまっています。内容は閉じ込められた部屋から脱出するのが目的の単純なアドベンチャーゲームです。最初は「どうせ素人さんが作ったゲームだから中身は安直だろう」とさほど期待はしていなかったのですが、やってみるとなかなかどうして、その出来の良さに驚きます。職業柄ゲームのバランスが若干気にはなりますが、それ以上にネットでフリーだからこそできる自由な発想と相手に媚びない難しさが、昨今の商用ゲームにはない新鮮味を私に感じさせてくれました。同時にテレビゲームの黎明期、つまりゲームが一番おもしろかった時代を思い出させてくれました。


*画像はFASCO_CSが提供している脱出ゲームのひとつ『緑の部屋』です。商用ゲームのようにヒントなんかありませんので正直いって難しいです。一応シェアウエアー(ゲームをクリアして満足できたら金を払うシステム)となってます



コンピュータでゲームやコンテンツを作ってそれを世に発表するという行為は、昔なら業界に入りプロにならないと出来ませんでしたが、今ではフラッシュのアクションスクリプト等のお手軽なソフトでだれでも手軽にゲームが作れるようになりましたし、作ったコンテンツもネットで簡単に世に発表できるようになりました。日本中、いや、世界中のユニークなアイデアを持つ人が自由に簡単に作品を世に出せるようになったのです。これはある意味、業界にとっては脅威です。プロといえども安直に作った作品は見向きもされなくなるでしょう。


もちろん高度なCGやプログラムを駆使した作品は、かなりの制作費と技術力が必要とされる為にプロの世界でなければ作れません。しかし、アイデアにはそのような制限はありませんからプロもウカウカしていられません。一般の人たちはゲームの表現力ではなく中身のアイデアや遊びを楽しむわけですから。もちろん表現力も商品の一部で大切です。しかし、一般の人たちがネットで情報収集をし加速度をつけて目が肥えてきている現状を真摯にみれば、今までプロが持っていた「常識」や、プロがプロである為の「プライド」や「こだわり」はあっというまに古いものになってしまうかもしれません。


業界で仕事をしているのにこういう事を言うのもなんですし、自己否定にも取られかねないですが、正直言って私は現在発表されているほとんどの商用のゲームに魅力を感じません。それよりもネットで公開されている、いい意味で無責任で気ままに作られているフリーのゲームやコンテンツの方が私には刺激的です。それがゲームの常識ハズレであればあるほど。


アイデア戦国時代。もしくはアイデアのカンブリア時代が始まりそうで(追記:いや、とっくに始まってますね)ネットコンテンツからは目が離せません。


■脱出ゲームの紹介サイト『脱出ゲーム百科』 ←文字をクリック


■ゼミの生徒のS君から教えてもらったちょっと変わったコンテンツ。ハイパーテキスト小説『99人の最終電車』 ←文字をクリック


 


【追記】友人に紹介された記事です。同じことを思っている人って結構多いんですね。


http://hotwired.goo.ne.jp/new s/20060201205.html

投稿者 mori-game

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です