『ロード・オブ・ザ・リング』の監督、ピーター・ジャクソンの『キング・コング』を観てきた。


2005年 ニュージーランド/アメリカ 186分 /監督 ピーター・ジャクソン /脚本 ピーター・ジャクソン 、フラン・ウォルシュ 、フィリッパ・ボウエン /音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード /出演 ナオミ・ワッツ 、ジャック・ブラック 、エイドリアン・ブロディ


で、感想――



『すっげえ~おもしれぇ~!!』 (竹中直人調で)


はい、これが迷うことなき素直な感想です。3時間という長丁場の作品なのに時間の長さを全く感じさせなかった。そう、ムダなカットが全くなく飽きさせないのだ。上映が終わった後、『映画料金の元とった~!』という感じだった。


1933年に公開されたオリジナルが人形アニメだったのに対し、今回のリメイク版は最新のCG技術を『これでもか!』と駆使して見事にキング・コングの冒険譚の世界をリアルにスペクタルに映像化していた。ただ、CGは見事だったがちょっと気になったのはモーション。巨大な生物や物体が動くスピードが物理的にちょっと速いような……おっと! そんな粗探しはこの映画には無粋か。そんなことは気にせずに子供のように素直に楽しめばいいのだ。


とにかくコングの表情がいい。ともすれば演出過多になりがちなハリウッド的感情表現もなく、抑え気味で自然だ。そうそう! 逃げるブロンドザウルス(あえてブラキオザウルスとかアパトザウルスとは言いません)に主人公達が巻き込まれるシーンは凄かったなぁ… 本来ならブラキオザウルスであるはずなのに、あえて存在しないブロントザウルス体型にしたのは、もしかしたらあのシーンの為だったのかもと思った。(ブラキオでは体型的にあれは無理だからね) チラノとの対決シーンも凄かったぞ。それとあのシーンも……


――なんて、いい大人(おっさん)を無邪気な子供に戻してしまうような魅力がこの映画にはある。スピルバーグやルーカスの後を継ぐのはのピーター・ジャクソンしかいないとの評もなるほどうなづける。『子供の頃に見た、あの手に汗握る冒険とファンタジー映画の数々』…… 彼は、そんな過去に多くの人達の心をつかんだ夢ある作品をどうしても自分の手で再び映像化したかったのだろう。そして、その中で一番やりたかった作品が『キング・コング』だったのだろう。それは、それら過去の名作に対する彼なりの『リスペクト』と同時に、彼が子供の頃にもらった感動の『お礼』なのだろう――と、思ってしまうほどの監督の『想い』と『パワー』がこの映画にはあった。


ラストシーンは、オチがわかっていてもホロリときてしまった。このての映画で涙ぐんだのは正直生まれて始めてだ。(笑)


 理屈ヌキに映画を楽しみたい方、活劇好きな方にはお奨めです! あと高所恐怖症の方はご注意を(笑) (奥深い人間ドラマのシナリオを期待される方には向かないかも。だって、主人公猿だし)


 


――この映画のCMは、この映画の面白さを伝えていないと思った文鳥


 


【追記1】理系の友人から『巨大なものはゆっくり動く』というのはイメージであり、物理的にはその考え方は間違っていると指摘された。ウルトラマンやゴジラなどの過去の怪獣映画でよく使われていた手法なのでその先入観だろうとも。確かに論理的に考えてみると巨大だから動きが遅くなるという根拠はない。――と、いうことでこの映画のモーションは正しいです。


【追記2】なんか噂によると思ったほど客足が伸びてないらしい。なんで、なんで? こんなにおもしろいのに。猿だから? 土人がでてくるから? 戦艦が出てこないから? 魔法使いがでてこないから?

投稿者 mori-game

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