昨日、私が講義をしていてるゲームスクールで、今年入学した生徒達の合評会があった。彼等にとっての最初の企画発表会である。私は他の講師の方々と混じってその審査を受け持った。
――で、結果は……
いまいちであった… たしかに企画の勉強を始めたばかりの彼等に、プロであるこちらが納得できる完璧なモノを求めるのは時期尚早だが、それにしても”若い想像力”がなさ過ぎた。主に気になった問題点は……
1、ゲームと、ゲームのテーマ関する研究の不足
2、自分が一番やりたいこと(コンセプト)に対する認識が甘い
3、2を具現化するためのゲームアイデアが絞り込まれておらず、かつ、煮詰まっていない。
4、3のアイデアに、若者らしい斬新さがない。
――つまり、基礎ができていないのだ。う~む…忌々しき問題だ(汗) これらの基礎はゲームだけではなく、その他のすべての創作活動の基礎にも通ずるものであるから徹底して身に付ける必要がある。その為には頭でわかった気にならず、とにかく”多くのアイデアを考え、企画書を書き、指導を受け、修正してゆく”――その繰り返しを続けることだ。ヘンな言い方だが”体で覚える”しかない。クリエイティブな仕事だから、ちょちょっと考えればいいものができると思ったら大間違いだ。プロになる、プロのクリエイターでい続ける、ということは、結局そういうことの繰り返しなのだから。(もし業界サラリーマンになりたいだけなら、悪いことは言わん。さっさとスクールを辞めて別の道を歩みなさい)
正直落ちこんだ生徒もいただろう。それでいい。大いに落ち込んで欲しい。自分の欠点を指摘されたということは、言い換えれば、これからの自分が進歩してゆく為のポイントを指摘されたということでもある。前向きに考えることだ。一番、マズイのは、落ち込むことすらしない向上心の低さだ。はっきり言っておくが、講師は業界に対応できる技術の指導はできるが、生徒の一人一人の”向上心の低さを上げる技術”まで面倒みきれないし、そこまでヒマじゃない。そもそも、そんなものを人様に上げてもらおうなどと考えないで欲しい。甘えちゃイカン!
向上心の高さは、それに比例して結果も生む。去年の生徒の中にも、やはり今年の生徒のように発表会ではパッとしなかったが、その後の努力で見事大手の会社に就職が内定した者がたくさんいるという事実も知ってほしい。スクールでの2年間(現実的には1年弱)は人を変えるに十分な時間だ。
たまに、この私のBlogを見にくる生徒達がいるようだ。その生徒達に上記のアドバイスを贈るとともに、下記の水前寺清子の”いっぽんどっこの唄”の歌詞の一部を紹介しよう。(もっと気の利いた唄なかったの?と突っ込まないこと(笑))
勝った、負けたと騒ぐじゃないぜ。後の態度が大事だぜ。
若いときゃ 二度ない、ドンとやれ! 男なら。(もちろん女性もです)
人のやれないことをやれ。
作詞:星野哲郎
――25年前から小学校の教育カリキュラムから創造教育(音楽、美術等)が減らされていることに憤りを感じている元教育学部生の文鳥でした。