なにかと飲む機会の多い年末年始。私もご多分に漏れず酒量が増え、体重計がその結果を正直に見せながら『おい、やばいぞ…』と脅しをかける。『はい。やばいですね』ということで、フィットネスクラブへと行こうと思ったものの年末年始で休業。仕方がないので久しぶりに近くの川の堤防をジョキングした。
まだ自然が残る川の周りをトコトコと走っていると、『自然の気』みたいな冷たい空気が走るリズムに合わせて私の体に入ってくる。フィットネスクラブでは決して体験できない気持ちよさがある。しばらく走っていると、横の野原から楽器の音色が聞こえてきた。見ると私と同世代、もしくは上世代と思しき男性が野原に座り込んでクラリネットの練習をしていた。まだ始めたばかりなのだろう。技術的には決してうまいとはいえないが、ぎこちないが故に素直な音色がなんとなく癒しな感じを私に与えてくれる。
聞くに、どうやら曲名は『惑星』の『ジュピター』のようだ。新年会にでも披露するのか？ ただのヒマつぶしか？ それとも、１年を振り返りながら自分の為に奏でているのか？ まぁ、理由はどうであれ、年の瀬の静かな空間に響き渡る中年男のぎこちないクラリネットの音色のおかげで、ジョギングが心地良いものになった。『クラリネットのご同輩。どこのどなたかは存じませんが、お互い来年も健康でがんばりましょうや』 なんて、心の中でつぶやいてみた。
――それでは、このＢＬＯＧをたまたま覗かれた皆さま。良いお年を！