3がつまらなかったし、予告がハデなアクションに依存しているかのような作品に思わせたので、その内容がちょっと心配だったダイハード4.0を観た。
監督:レン・ワイズマン/脚本:マーク・ボンバック/撮影:サイモン・ダガン/音楽:マルコ・ベルトラミ/美術:パトリック・タトボロス/出演:ブルース・ウィリス、ジャスティン・ロング、マギー・Q、ティモシー・オリファント、クリフ・カーティス、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ケビン・スミス/2007年アメリカ映画 /2時間12分/配給:20世紀フォックス映画
で、感想――
これ、ブルース・ウィルスじゃなくて、シュワちゃんでもいいじゃん――という感じのハデなアクション映画でした。なにも考えずに娯楽映画を楽しみたいという人にはうってつけでしょう。ただし、少しでもジョン・マクティアナン監督のダイ・ハードのハードボイルドなテイストを期待するとガッカリします。あのダイ・ハードは2(いや、1だな…)で終わってしまったのですから。
今回の敵はそのタイトルの『4.0』が象徴するように、Web2.0なネット世界を悪用したサイバーテロ集団です。で、いつものように『運悪くまきこまれてしまった』マクレーン刑事がテロ集団に立ち向かってゆくというものです。詳細はネタバレになるので割愛しますが、『正直、んなアホな』というご都合主義の連続なので、考えながら観るのはやめたほうがよいでしょう。そこのところがシュワちゃんでもいいじゃん、と言った理由でもあります。あ、だからといって、つまらないというわけではありませんよ。誰もが十分に楽しめる大衆娯楽映画にしあがっていますので。
しかし、シリーズものの宿命なんでしょうかねぇ……・その設定が必ずといっていいほど『インフレーション』をおこしてゆくのは……。多分にプロデューサーサイドの直線思考と一般ユーザーの志向が原因だとは思われますが、ダイ・ハードシリーズもその例外ではなかったようです。ですから、今回の作品はその設定のでかさ(007級)に、マクレーン刑事の存在が負けてしまっているような感じがしました。(この調子じゃ、次回作?は世界征服を企むスペクターに立ち向かうことになりそうだな(笑))
なんか、ちょっと辛口になりましたが、今回の作品で私が私の求めるダイ・ハードらしさを唯一感じたのは、『敵は5人よ!』と某キャラが言ったシーンでしょうか。ああいう『クール』というか『ハードボイルド』な一言やシーンの積み重ねが良かったんですよねぇ…、あの作品は。
【追記】不覚にも知らなかったんだけど、ダイ・ハード4.0の原題って『Live Free or Die Harad』っていうんだね。