今日からフィットネスクラブに通い始めた。以前、健康診断で『メタボリックシンドローム』を注意された後、午後9時以降の食事を制限したら2キロ体重が減り、その後に潰瘍で入院したら一気に5キロも減ったので、『おお! 更なるダイエットをするなら今が千載一遇のチャンス!』というわけでダイエット総攻撃を開始したのだ。
有酸素運動系のトレーニングは以前からジョギングをしていたので、それほど苦ではなかったが、こたえたのが『筋トレ』。いやぁ~、落ちてる落ちてる筋力。若い頃から筋力はある方だったが、やっぱ人間――っていうか、生き物って時間とともにその筋力、体力が確実に衰えてゆくものなんだなぁ、と自然の摂理をまさに体で感じてしまいましたよ。(運動不足のせいもあるけどね…)
ところで、ジムの中でひときわ目立った初老のマッチョオヤジがいた。若い頃からボディージムにでも通っていたのだろうか? 年齢に似合わない見事な体つきだった。その初老マッチョオヤジと浴場の脱衣場で一緒になった。その日の気分によってフランクになる私は『見事なお体ですね。何か昔やられていたんですか?』とスマイリーに尋ねてみた。(この時、オヤジは体にピッタリとフィットしたTシャツを着ていた) 突然赤の他人に声をかけられたオヤジは一瞬驚いていたが、すぐにニコリと微笑むと『ええ。まぁ……。でも、もう今はダメだなぁ…』とボソリと答えてくれた。
その後、私が浴場で汗を流し湯船の中でくつろいでいると、マッチョオヤジも後から入ってきた。オヤジは私の横に来ていったん体を沈めた後、何故か体を反転させ私の斜め前に位置を変えた。オヤジの体つきが良く見える。謎の反転……。
『まさか、オヤジ、俺に体を見せつけようとしてんじゃないんだろな?』
たしかに私は、オヤジの年齢の割には見事なその体つきはスゴイと思ったが、だからといって別にその肉体が見たいわけでもなく、オヤジの裸なんか見たくもないので、そそくさと湯船から出てしまった。
私は脱衣場で体を拭きながら思わず『マッチョ=ナルシスト』という公式を思い出してしまった。 あのオヤジがそうだったかどうかは不明だが、私しゃ昔からなんかナルシストが苦手でねぇ~。でも、そんなことを言ってるわりには、私も体のシェイプアップに成功したら鏡に写る己の肉体をみながら、『ニヤリ』とナルってしまうのかもなぁ……(苦笑)。