ホームレスから億万長者になりアメリカンドリームを達成させた実在の人物クリス・ガードナーの実話をもとに描かれた作品『幸せのちから』を観た。
監督 : ガブリエレ・ムッチーノ /出演 : ウィル・スミス/ ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス 、 タンディ・ニュートン/ブライアン・ハウ/製作年 : 2006年/製作国 : アメリカ /配給 : ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
で、感想―― (注:辛口です)
う~ん……。決して悪い作品ではないんだがなぁ…、でも、なんかものたりなかったなぁ。
まず個人的に感情移入ができなかったのは、主人公のクリスがなにをやってもうまくゆかないという不運続きの描写が『作為的すぎる』ところかな。ただ、そのあたりは良く言えば『分かり易い』ということにもなるので、まぁ、良しとしても、その不運の原因が『そりゃ、てめぇのせいだろ!』ともとれかねないところは納得ができませんでした。あと全体の構成に序破急がなく凡庸なので、なんか心の底からグッとこみあげるものがなく、当然、ラストの成功の顛末も『ああ、よかったね……』ぐらいのいカタルシスしか得られませんでした。
ただ、なりふり構わず『必死』になって生きてゆこうという主人公の様は、ウィル・スミスの迫真の演技力もあってか、なかなかのものでした。(こういう情けない役って、ウィル・スミスは初めてじゃないのかな?) 希望を信じてがんばれば人生はきっと開ける!というメッセージもとても分かり易くて、観ていて元気になれる人もいるでしょう。たぶん。
ところで、この作品に出てくる主人公の息子ですが、映画では5歳ですが、原作では2歳だったそうな。う~ん……、あたしゃ、2歳のバージョンで観たかったなぁ。だって、5歳と2歳じゃ主人公のプレッシャーも全然違うでしょ。2歳の息子を引き連れながらホームレスで求職ですよ。想像しただけでため息がでます。
ちなみに、後で知ったんですが、その5歳の息子の役をやっている子役はウィル・スミスの実の息子だそうです。へぇ~……。