深夜に試合の再放送をやっていたので観てみたが……ボクシングという野性的で過酷でナイーブなスポーツに割には、それを感じさせぬスカッとしない結果だった。
私は亀田3兄弟の試合振りは否定しない。(実際は長男、次男の試合しかみたことないが)。あの独裁的でドキュンな父親を信じ、訓練に耐え、鍛え、父親譲りの品のない態度に周りから罵られても己のスタイルを変えないのは、ある意味大したもんだと思う。
なら、どうして試合をみてスカッとしなかったかというと、前回の長男の試合もそうだったが、試合に『大人たちの計算』が露骨に見え隠れしていたからだ。だれが観ても『亀田は勝ってもらわないと困る』という主催者側、TBSの修惑が見え見えではないか。ボクシングとは命を懸けたスポーツだ。ごまかしのきかない神聖なスポーツだと思う。その神聖な場所にあのような露骨な修惑を感じさせるから周りから『八百長だ!』と罵られたり、TVを観たファンをスカッとさせなかったりするのではないか。
都合の悪いシーンをカットし、都合の良いシーンを何度もビデオ再生し、亀田兄弟を祭り上げどうしても視聴率をとりたいTBS。判定、審判をうさんくさく感じさせる主催者側。つまり、あの試合を『盛り下げて』いるのはリング外の輩ではないか。
正直、私は亀田兄弟は大嫌いだ。しかし、ボクシングの世界では将来性のある逸材であることは認める。だからこそ、彼等のボクシングに対する純粋さや夢を大人どもの打算で壊してほしくない。何故なら、あの兄弟は口ではかっこをつけているが、まだまだ『子供』だからだ。
私は昨日の9ラウンドで、亀田大毅が初めて見せた試合に対する怯えた顔を見逃さない。