おお、なつかしい。GyaOで大魔神をやっていたので観てみました。
大魔神は私が小学校3年生の頃に観た今は無き大映の特撮映画で、東宝のゴジラシリーズとは違った独特の雰囲気をもっていました。なんてゆーか、社会派とゆーか、怖いとゆーか、暗いとゆーか……。『悪いことはしちゃいけないんだなぁ』と学校の道徳の授業やカトリック教会の教え以上に子どもの私に思わせしめた作品でした。
で、感想――。
大魔神ってハードボイルドだったんすね。あと『必殺シリーズ』の原型だったのかなとも思えました。(同じ大映だし)
作品の約3分の2を、ステレオタイプ的に虐げられた者たちの苦しみと悪党の増長にその時間を費やし、観ている者に『バーチャル・リベンジ精神』を『これでもか』とうえつけ、ラスト3分の1の時間で一気に悪党を殺しまくる。嗚呼、カタルシス……。それも社会的使命感で悪を滅ぼすというより『あくまで個人的なルール』に基づいて殺しているところなんざ、大魔神も必殺シリーズもそっくりじゃありやせんか。
しかし、大魔神のキャラデザはいいですねぇ。ゴーレムからヒントを得たという埴輪な容姿といい、あの不動明王というか怒り狂ったオヤジみたいな形相といい(特にあの生の目) 、あの居心地の悪い中途半端な大きさといい(ガンダムぐらい)、今見ても不思議なリアリティーを感じさせます。
あと、大魔神が壊す家屋の模型にもしびれます。大魔神の背丈に合わせたそれらは怪獣映画のそれらと違ってかなり大きく(実物の25分の1らしい)、瓦一枚一枚、柱1本1本にもこだわっていて、いったい予算いくらかかったんだろう? と思わずにはおられません。まさに特撮の匠の技。
しかし、大魔神の悪党の始末方法はえぐい。大人気ないというか、神気?ない。特に2作目の『大魔神怒る(逆襲)』は子供心にショックだったなぁ。