映画館には行きそびれ、レンタルビデオ屋行けばいつも貸し出し中で(DVDは売ってたんだけどね)、結局観そびれてそれっきりだった『アメリ』がGYAOでクリスマス限定で配信されていたので超遅ればせながら観てみた。
監督:ジャン=ピエール・ジュネ/脚本:ジャン=ピエール・ジュネ/出演:オドレイ・トトゥ/マチュー・カソヴィッツ/ヨランド・モロー/2001年作品
で、感想――
嗚呼…なんでリアルタイムで観ておかなかったんだろうと後悔… 優しい映画だ。全編に『優しさと愛』が満ち溢れている。(内容紹介は今更なので省略)
作品を観ながら、この作品のベースとなっている『優しさと愛』はどうもキリスト教圏的なものじゃないかなと思った。つまり、東洋の映画に表現されるそれが『道徳的なニオイがする』のに対し、この作品のは『宗教的なニオイがする』のだ。……やめとこ。へ理屈はいいか。
しかし、よく出来たシナリオだ。ペーソスとユーモアをメインに一見軽めの演出なのに、よく人間を語っている。やたらと深刻ぶった重い人間ドラマより、よっぽど人間が描けている気がする。観た後になんかこちらまで優しい気持ちになれ前向きになれる。
そうそう、この映画を観てふたつの映画を連想した。ひとつはヴィム・ベンダース監督の『ベルリン・天使の詩』。あとひとつは中島哲也監督の『下妻物語』。前者の『天使~』はテーマが似ているというところ。両方観た人は多分納得してもらえると思う。で、後者の『下妻~』がなんで?と思われるかもしれないが、これは映像表現のテクニックの部分で。多分、中島監督は『アメリ』を見てかなりインスパイアされたとのではと思った。『下妻~』の中にかなりアメリと似た表現方法が見受けられたからだ。もしかして中島監督はジャン=ピエール・ジュネ監督が好きなのかな? デリカテッセンとかもおもしろかったし(あくまで推測だけど…)
しかし、世の中にはこんな『アメリ』のような良質の作品がくさるほどあるんだろうなぁ… でも、そのほとんどが興行的な問題で日の目をみないんだろうなぁ… ああ、なんか人生、損しているような気がするなぁ…
――かといってミニシアター巡って良作を探す気はない根性なしの文鳥